映画The Day After Tomorrowを海洋学の目で

20世紀FOXの映画「デイ・アフター・トゥモロー」をご存じでしょうか?

地球温暖化や環境危機の結果、氷河期になってしまうと言う映画です。

 

海洋物理学的にひもといてみましょう。

 まず大気や海における熱の話。太陽の熱は地球の赤道付近に多く入射します。

このままの状態だと赤道付近は暑いのに中緯度(東京、ニューヨークなど)が

氷の世界になってしまいます。

 なぜそうならないのかというと大気と海洋が赤道に注がれた過剰な熱を極方向に

もしくは高緯度に輸送しているからです。大気の役目と海洋の役目は短い時間

スケールでは1:1と同程度です。地球流体(大気や海)の存在の恵みですね。

 

 さて海洋の熱輸送には大きく分けて二種類有ります。短い時間スケールの風成循環

長い時間スケールの熱塩循環。短い時間スケールの大気の対流や海洋の風成循環

(黒潮やメキシコ湾流)も重要ですが、今回の話では長い時間スケールの循環である

熱塩循環が主役です。

kiso1.jpg

この図はブロッカー(Wallace S. Broecker)のコンベアベルトと呼ばれています。

グリーンランド沖や南極海で冷たい水が沈み込み、密度流(対流;熱と塩分による駆動)

すなわち熱塩循環が形成されます。この循環は2000年から3000年で一回転すると言わ

れてます。この両極付近(北極、南極)での沈み込みは海水の特性にも起因します。

海水は温度が低いほど重くなります。グリーンランド沖などで海水が冷却されると

重くなって沈み込みます。また海氷が形成されるときには塩分を持たない氷が出来るので、

氷の周りは塩分の高い水になります。塩分が高い海水も重いので沈みやすくなります。

 

長い前置きになりましたが、この循環が止まってしまうと中緯度は氷の世界になると予想

されています。(最悪の場合)近年の地球科学者の警鐘では、地球温暖化が氷河期の

トリガーになり得るというものです。これが映画「デイアフタートゥモロー」の脚本です。

氷河期になると温暖化すると氷河が溶け出します。これが海に流れ込むと、塩分の少ない水なので

ぷかぷか浮いて広がります。氷河は両極周辺にあるので軽い水はグリーンランド沖や

南極沖を覆います。淡水の嫌らしい点は4℃以下になると冷えるほどに軽くなるのです。

海水は4℃以下でも冷えれば重くなって沈んでいましたね。

 

温暖化>氷河が溶ける>冷たい淡水がグリーンランド沖や南極沖に広がる。

すると薄い淡水の膜が出来て、それが凍ってしまう。ということは海水の沈み込みが停止。

(hiroichi氏コメント:「海面が凍ってしまうので海水の沈み込みが停止」するのではなくて、「表層の

塩分が薄くなって、表層水が冷却されて重くなっても、深層の海水の密度を超える

程には重くならないため、海底まで沈みこまなくなる」という推論だったと記憶し

ています。)

ブロッカーのコンベアベルトが停止します。海洋化学者の研究成果によるとヨーロッパで

氷河期になると日本海でもほぼ同時に氷河期になっているというものがあります。

すなわち温暖化が引き金になって氷河期が起きてしまうのです。

NOAA(アメリカの海洋大気局)NASAのアニメーションを見てみましょう。

 

これは大西洋の循環のみですが良くできていて分かりやすい。

 http://www.nasa.gov/vision/earth/environment/Sudden_Climate_Change.html


地球温暖化だけなら人類は生き残れるでしょうが、温暖化の後に氷河期となると

中緯度の国は低緯度の国に武力侵攻して食料を求めるでしょう。少ないパイを巡る

醜い争いが人類の寿命をさらに短くするでしょう。


追記:2009年春の日本海洋学会の「サイエンスカフェ」でも話題になったようです。こちら

追記2:hiroichiさんの指摘をうけて本文を修正。

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金星人らが天変地異で地球大掃除を試みた

筆者のブログのコメント欄へ09.2.2に、金星人らからのチャネラーが受けたメッセージを知らせる投稿があった。それによれば、 
 金星人らが、地球人の拝金主義と腐敗を非難して、09年春、太平洋海底火山大爆発、巨大津波、09年秋、通貨と株券の紙切れ化、殆ど全会社の倒産、010年早春、地球の自転3日間停止、同4月、北極地方のNY沖への移動[映画「The Day After Tomorrow」の実現]、西日本沈没、などの天変地異の推進で地球大掃除を試みている。

 筆者は、ことの真偽を宇宙ブロックス管理界に質した。
 その結果は:

 http://gold.ap.teacup.com/tatsmaki/60.html

恐ろしいメッセージですね。

うみガエル 様

拙ブログ記事への言及とTBをありがとうございました。
インターネットでの長年のご活動を拝見いたした。
可能でしたら、海洋学会教育問題研究部会での海洋学普及活動にもご協力いただけませんか?
今後とも、宜しくお願い申し上げます。

以下は、貴記事についてのコメントです。
>2009年春の日本海洋学会のシンポジウムでも話題になったようです。

シンポジウムではなくて「海のサイエンスカフェ」です。

>氷河期になると氷河が溶け出します。

「温暖化が進むと氷河が溶け出します。」の誤りでは?

>すると薄い淡水の膜が出来て、それが凍ってしまう。ということは海水の沈み込みが停止。

「海面が凍ってしまうので海水の沈み込みが停止」するのではなくて、「表層の塩分が薄くなって、表層水が冷却されて重くなっても、深層の海水の密度を超える程には重くならないため、海底まで沈みこまなくなる」という推論だったと記憶しています。

コメントありがとうございます。
本文中にコメントの一部を引用させていただきました。

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このページは、うみガエルが2009年1月26日 13:43に書いたブログ記事です。

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